住宅ローンが不動産の時価を上回る場合の財産分与
こんにちは、弁護士の窪田耕一です。
今回は、住宅ローンが、不動産の時価を上回っている場合いわゆるオーバーローンの場合の財産分与の考え方です。
この点、東京高決平成10年3月13日において
「夫婦の協力によって住宅ローンの一部を返済したとしても、当該住宅の価値は負債を上回るものではなく、住宅の価値は零であって、右返済の結果は積極財産として存在しない。そうすると清算すべき資産がないのであるから、返済した住宅ローンの一部を財産分与の対象とすることはできないといわざるを得ない。」
と判断されています。
通常はこの考えに従い、オーバーローンの不動産の場合には対象財産としないものとして扱います。