解決事例21(夫から妻へ金銭の支払いと一定期間の自宅の無償使用を認めて離婚できたケース)
(事案の概要)
・夫・妻40代前後。子二人
(解決までの流れ)
この依頼者の方のケースでは、夫が強く離婚を求めておりましたが、相手方及びその弁護士から夫の不貞行為という有責性の主張がある事案でした。
当事務所が代理人として、相手方代理人に離婚を求める内容の交渉を行いました。このケースでは妻側も条件によっては離婚を検討するという様子を早い段階で示していたため、財産分与の資料を整理し、算定しながら相手への提案内容を検討しました。
また、このケースでは、離婚の条件を調停調書にしたいという相手の要望もあったため、離婚調停に移行し話し合いを行いました。
調停においては、収入をもとに養育費算定表により養育費を決定しました。
依頼者としては、離婚自体を早期かつ確実に離婚したいというご希望とお子様のことは大事に思っていることから、一部の金銭的支払いを、夫名義の不動産を子が大きくなる期間の間妻と子に無償で使用させるという内容で合意することができました。
金額決定においては、不動産や預貯金、生命保険の解約返戻金の資料を双方開示し、特有財産に関する主張を詳細に検討しながら金額的な調整を行いました。
(弁護士が頭を使ったポイント)
この方のケースは財産分与の対象財産が非常に多く、また不動産の頭金の処理等特有財産に関する争点も複雑に絡み合っている財産分与の資料の整理や提案内容の算定が複雑かつ困難な事案でした。
またお子様への配慮として、自宅を妻に一定期間無償使用させるという要素を関係させながら離婚条件を調整していく作業、訴訟に至る場合の当方の有責性の存否、責任、離婚できないリスク等の検討が難しいケースでしたが、無事に依頼者の方の納得いく形で解決に至りよかったです。