解決事例15(長期間不動産の処理につき相手弁護士と交渉して合意に至らず、当事務所介入後調停で離婚が成立したケース)

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(事案の概要)
・夫、妻30歳程度。子なし。

(解決までの流れ)
この男性の依頼者の方のケースにおいては、夫婦の共有となっている不動産をどうするかということで、妻側の弁護士と夫で長期間協議が既になされていた状況でご相談いただきました。
夫としては、相手の弁護士に連絡をしてもスムーズに連絡が取れない、取れても話し合いが全く整理されていかないということに非常にストレスを感じていました。
このタイミングで、当事務所が介入し、相手弁護士と交渉を行いました。
まずこの事件は、双方ともに不当に低額で相手に不動産の共有持分を譲るのであれば、自らが取得したいという意向があり、どちらが不動産を将来的に使用するのかということ自体で大きな争いになっていました。
当事務所において、その争点につき、相手に譲る場合、当方が取得する場合、いずれの場合も譲る限度を相手に伝え、話し合いの進展を促しました。
それでも合意に至るまに時間を要したことから、やむを得ず離婚調停を申立て、その中で解決を図ることとしました。
調停を進める中で、調停委員が不動産鑑定に詳しい方であったため、その方からの情報及び依頼者の方独自に不動産の調査をした結果、不動産購入時の妻の特有財産の拠出状況等を踏まえ、同物件を取得する方向での解決の方が得策と考え、結局その方向で決断し、調停委員・裁判官による提案をもとに不動産の共有持ち分を譲り受ける代金を決定し、離婚の条件につき合意に至りました。

このケースでは、ご自身での相手弁護士との交渉の進展のなさに疲弊していたご依頼者の方が、当事務所にご依頼後、少しずつですが事件が進展することにより、全く解決に向かわないというストレスから解放され、双方の資料開示の中で、妥当な範囲の妥協を行った上で解決に至れたのが良かったです。

(弁護士が頭を使ったポイント)
事案によっては相手の弁護士が事件の解決のために、事案をきちんと整理してくれないということもよくあります。場合によっては弁護士が紛争を複雑化させてしまうこともあります。
このケースでは相手弁護士は多忙のためかなかなか連絡がつきにくく、また、どの方法は無理で、どの方法であれば解決の糸口があるか、という事件の方向性につき、き積極的に考える様子がなかったため(そもそも相手方も離婚を希望しているケースでもありました。)、当方が積極的に選びうる選択肢を狭めていく方向で話を進めました。
また、調停を起こすことで、双方ともに不動産の処理につき、どちらが取得するかという選択肢や不動産の価値に対する認識の齟齬が狭まり、無事に合意に至ることができました。不動産をどちらが取得するかということ自体で話し合いが進まないようであれば、なかなか容易には解決しにくいと思いますので、一度弁護士にご相談ください。

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