公正証書の執行認諾文言について

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公正証書には通常

「甲は,本証書記載の金銭債務を履行しな いときは直ちに強制執行に服する旨陳述した。」

というような執行認諾文言という条項を設けます。

この条項があるから、債務者が支払いを行わない場合に、法律上、裁判などをせずに公正証書により強制執行ができることになります。

しかし、なぜ上のような堅苦しい用語のを習慣的に公証役場が使っているかについて、条文に戻って調べてみました。

 民事執行法第22条では

「五  金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の 給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、 債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」 という。)」

により強制執行ができるとされています。

つまり条文自体が、このような堅苦しい用語となっているため、公証人としては、その文言をそのまま引用しているのです。

ご依頼を受けた事件において、公証人に他の表現を使用することはできないのか尋ねてみましたが、公証人としては、後々強制執行の裁判所において、条文と文言が異なることを理由に強制執行が認められないような事態になると責任がとれないことから、文言通りの表現しか使えないという説明を受けました。

普段実務的に特に掘り下げて考えない問題でも、調べてみると法律上の根拠があるということを改めて感じました。

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