親権者に関する重要判例。千葉家庭裁判所松戸支部平成24年(家ホ)第19号(平成28年3月29日判決)

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は画期的な親権者の判断を行った判決をご紹介します。

千葉家庭裁判所松戸支部平成24年(家ホ)第19号(平成28年3月29日判決)においては、いわゆる「継続性の原則」よりも「寛容性の原則」が重視されました。

同事件においては監護者である母親は「月1回、2時間程度、監視付きで父と子の面会を認める」と主張していたのに対し、非監護者である父親は「隔週末の48時間を基本に、ゴールデンウィークや年末、夏休みには1・2週間連続での交流を認めるなど、年間100日にも及ぶ面会交流を認めることを主張し、さらに、もしそれが守られなかった場合、親権を変更することも約束した。」ものです。

その結果、仮に離婚になった後も、可及的に子供が両親からの愛情を受けて健全に成長することができるのは非監護者であった父親であるとして、5年10か月間子供を監護していた母親に対し子の引渡しを認めました。

この裁判例は、父母どちらを親権者とする方が、子供の長期的な人生にとって、子供が両親双方からの愛情を感じられる人生を歩めるか、そのために現在どちらの両親が真摯に子供の将来を考えているか、という視点から具体的に検討・判断した非常に評価されるべき裁判例です。

現在の裁判実務では、裁判所が安易に母親側に親権を認めることが多いことから、母親の側が、子供を囲い込んでしまい、結局子供と父親が引き離されてしまう状況が多く、問題となっています。

このような現在の裁判実務に影響する画期的な判決といえます。

当事務所においても、親権の争いのある事件については、積極的に、この判決を引用し、また趣旨をいかした主張を行っていきます。

親権に争いのある事案も当事務所にぜひ一度ご相談ください。

コメントは停止中です。

サブコンテンツ

お問合せ

このページの先頭へ