財産分与で夫婦の片方の寄与度を高く認定した裁判例
財産分与で夫婦の片方の寄与度を高く認定した裁判例をいくつかご紹介いたします。
下記のような判断を得るには、詳細な主張・立証を行っていくことが必要です。
・東京地判八王子支判平成14年11月26日
妻の寄与度を4割とした裁判例です。
・東京家審平成6年5月31日
夫が画家、妻が作家のケースです。
生活費は双方収入負担しあい、家事は妻が行っていました。
生活費を負担する割合や収入等を総合的に考慮して夫4:妻6としました。
夫婦双方、個人的な才能による収入があるケースで、事情を総合的に判断して一方の寄与度を大きく判断しています。
・福岡高判昭和44年12月24日
夫が医者として病院を開業し、1969年当時の年収が1億円を超えるなど高額な収入があるケースです。また、資産が1億円を超えていました。
妻に2000万円分の財産分与を認める判断をしています。
このケースでは、夫が事業者で高額な収入があったことから、収入に対する夫の個人的な才覚に配慮して判断したものを思います。
・松山地西条支判昭50年6月30日
妻が事業を行う一方、夫は酒におぼれ、妻子に暴力をふるうなどして、家を追い出したケースです。
妻は別居後独力で子供二人を大学まで進学させています。
妻を7割とした。
このケースでは、妻側の寄与度と、夫の貢献度の低さを考慮して判断を行っています。
なお、実務上は2分の1ルールがあり、2分の1でないと主張する方が立証する必要があり、また、話し合いで相手方が納得する可能性も高くないため、上記の通り2分の1ルールと異なる内容の財産分与の主張を貫くためには、裁判・審判での解決を図る必要があると思います。