退職金が財産分与の対象となるか(支給が将来の場合)

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弁護士の窪田です。

将来支給される退職金が財産分与の対象となるかという点につき、ご説明いたします。

まず、退職金は賃金の後払いとしての性質を有することから、他方配偶者の寄与がある場合には財産分与の対象になりえます。

しかし、将来の退職金は、事故・病気・懲戒解雇、会社の倒産など様々な不確定要素があり、その受給が確実でないため、「近い将来に受領できる蓋然性がある場合」に財産分与の対象とすることで判例は確立しています。

ここで、退職が何年先であれば財産分与の対象となるかということが問題になりますが、一律に判断できるものではなく、判例は統一されていません。
これには、公務員のように支給の蓋然性が高いかどうかなどの職種によっても影響されるものと考えられます。
これについては、退職までが5・6年程度で対象とした判例もあれば、対象とせずに、財産分与の決定につき考慮すべき事情として取り上げた判例などがあります。

支払いを求められる側においては、退職時まで相当年数ある場合には、対象財産であること自体を否定していくことが考えられます。

財産分与で退職金が争点になる事案では、対象となるか否か、なるとしてその金額をいくらとみるかという点が複雑なので、弁護士にご相談頂くことをおすすめいたします。

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